リオデジャネイロ五輪 August 5 fri - 21 sun
リオデジャネイロ現地時間
<男子>8/11 thu - 14 sun <女子>8/17 wed - 20 sat
Stanley Chou/Getty Images
大西洋沿いの環境保護地区に隣接する形で作られた新コース (gettyimages)
2016年のリオ・オリンピックで112年ぶりに復活するゴルフ競技。開催地のブラジルでもにわかにゴルフへの注目度が高まっているという。ただ、実際にゴルフをプレーする人口は3万人程度。ブラジルの人口は約2億40万人だから、ブラジルの人々にとっていかにゴルフが一部のエリート階級のものかがわかる。
そこにこの夏、1つのゴルフコースが誕生した。オリンピックゴルフコース。メイン会場となるマラカナンスタジアムから約25キロ離れた大西洋沿いに、オリンピックのために新設されたコースである。
現在リオデジャネイロには3つのゴルフコースが存在するが、そのすべてがプライベートコース。そこで、オリンピック開催にあたり国際ゴルフ連盟(IGF)は新たなゴルフコースをリオデジャネイロ近郊に建設することを決定した。環境保護地区に隣接したゴルフ場用地を舞台に行われた設計コンペの末、米国人ゴルフコース設計家ギル・ハンス氏と、LPGAで通算29勝を挙げているエイミー・オルコット率いるチームのプランが採用された。
ハンス氏以下7名の設計チームが注力した1つの要素にブラジルのゴルフにどんな“レガシー(遺産)”を残すかという点がある。国際オリンピック委員会(IOC)も、「オリンピック・レガシー」として五輪開催都市決定にあたっても重要視しており、この理念を「長期にわたる、特にポジティブな影響」と説明する。ゴルフに置き換えればブラジル国民の健康維持や、運動をする人、ゴルフ人口の増加が“長期にわたるポジティブな影響”といっていいだろう。
環境面への配慮も高く評価されたリオゴルフコース設計チームは、その理念を念頭に置いて約9か月間をかけてまっさらな大地にコースを描き出した。プロに対しては正確なマネジメントを要求し、アマチュアや初心者にもやさしく回れることがコンセプト。出来上がったコースを俯瞰してみただけでも、無理な池越えなどは設定されていないことがわかる。
コースは五輪開催後10年間パブリックコースとして運営されることが決まっている。そのため、ハンス氏はビギナーが多いブラジルにゴルフを根付かせるために、いたずらに難度を上げることはしなかった。ただ、午前中は海から、そして午後は山側から吹き降ろす風がレベルの高低を問わず最大の難敵となる。