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リオデジャネイロ五輪 August 5 fri - 21 sun

RIO DE JANEIRO 2016 ブラジル国旗 GOLF

リオデジャネイロ現地時間

<男子>8/11 thu - 14 sun    <女子>8/17 wed - 20 sat

Stanley Chou/Getty Images

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コラム

コースヒストリー

本コースに隣接する9ホールの特設ショートコース

ショートコースの設計図 練習場スペースとコースの間を巧みに使って描かれている

「レガシーを残す」というポイントにおいて、設計チームの一員でバンカーのシェイプなどに参加したベンジャミン・ウォレン氏はある特別なプロジェクトに力を注いでいた一人だ。実はこのコースには五輪用に作られた18ホールに隣接する形で、9ホールのショートコースが設計されている。ウォレン氏はチームの意見を集約しながら、そのショートコースのデザインをハンス氏から任されていた。

クラブハウス正面から南に出ていく1番から始まり2番で折り返し、3番、4番とクラブハウス方向に戻ってくるレイアウト。さらにそこから隣接するドライビングレンジエリアに向かって5番ホール。6番から8番でドライビングレンジ内にあるターゲットグリーンを使いながらぐるっと回り、9番でクラブハウス南正面にある練習グリーン兼フィニッシンググリーンに戻る。ちなみにドライビングレンジ外の4ホールは、五輪期間中スポンサーテントやギャラリーが集まるスペースとして活用されるという。

練習場がオープンしている時間帯は5番から9番までは使用できないが、本コースラウンドプレイヤーがスタート後の午後であれば、9ホールのショートコースとして運営が可能。「大人や上級者なしで、キッズや初級者にプレーをする機会を与えるコースを作ることをチームで何度も話し合ったんだ」と語るウォレン氏は、当たり前のようにクラブを握った自身の幼少期にこの9ホールを重ね合わせる。

スコットランド南西部にあるノースベリックという海辺の町出身。“世界で一番コピーされたホール”として知られるレダン(15番パー3の通称)を擁するノースベリックウェストコースを中心に、ゴルフが生活に根付いた環境でウォレン氏は幼少期を過ごした。だが、新たな仕事場となったリオの地はそれとは程遠いものだった。

選手村から15分程度の位置にあるコース周辺のバーハ(BARRA)地区は新興住宅街で、ブラジルでは比較的金銭的に余裕がある層が住んでいるとされている。だが、市内にはスラムも点在しており治安状況は不安定。経済的に恵まれない人々も多い。国民的スポーツともいえるサッカーもある。いかに新たに作られる五輪コースが一般に開放されるといえども、ゴルフはそれだけで敷居が高いのだ。

だからこそ、ゴルフをより安価に。より身近に。より生活に密着した存在に。それこそがこのショートコースに込められた思いだった。

「このコースは安い値段で初心者がゴルフを体験できるし、キッズやゴルフを始めるリオの人達すべてのために使える。このキッズコースがゴルフを始める人たちにとってとても大きなステップとなり、川に石を投げるとリズムよく跳ねていくように(ステッピングストーン)沢山の人たちがゴルフを学べる場所になると思う」。

設計チームからリオへの粋なプレゼント。ウォレン氏だけでなくチームはこの9ホールもリオに残す大切なレガシーになると確信していた。

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