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【T・ウッズ、史上最大の惜敗 完全優勝を阻止したY・E・ヤンが当時を振り返る】
2009年の「全米プロ」。多くの人が想像したであろう、タイガー・ウッズ(米国)のメジャー15勝目が実現することはなかった。
初日から3日間単独首位に立ち続けたウッズ。それまでのメジャー14勝はトップで最終日を迎え、リードを守り切りって優勝。この年初めてそれが崩された。最終ラウンドはパターに苦しみ、4番では3パットのボギーを叩いて首位と2打差から出たY・E・ヤン(韓国)に並ばれた。トータル6アンダーに並んで折り返すと、後半で我慢のゴルフを続けていたヤンが14番・パー4でチップインイーグルを決めてウッズを逆転。
ウッズもバーディを奪って食らいついていったが、17番でともにボギー。最終18番でバーディを奪ったヤンが逃げ切り優勝を決め、ウッズの前で渾身のガッツポーズ。キャディバッグを持ち上げて雄叫びをあげて勝利に酔いしれた。初めてメジャータイトルがアジア人の手に渡る快挙とともに、ウッズの敗北が多くの人々の記憶に残った瞬間だった。
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当時を振り返ったヤンは、「勝ったときは信じられないくらい嬉しかった」と語る。今年のマスターズでのウッズの優勝は、テレビで観戦していたという。「やっぱり、タイガー・ウッズの優勝は嬉しかった。もう自分が勝ったのは10年前だけど、その頃のウッズが強かった頃を思い出した。見ていて楽しかったですね」と10年前に火花を散らしたウッズの姿がよみがえる。「最近のタイガー・ウッズは何年も調子が悪かったが、今はよくなって多くのゴルファーもそれを待っていたと思う」と、いちゴルファーとしてもウッズの復活を喜んだ。
メジャー16勝目をかけて臨むのは5月の「全米プロゴルフ選手権」。1999、2000、06、07年と大会4勝を挙げている。昨年大会は2打差で優勝を逃したが、最終日に「64」のチャージでファンを熱狂させた。「マスターズ」で復活勝利を遂げ、今季メジャー2勝目に向かう。